




京極夏彦 著
講談社 2019年 新品
京極夏彦さんの地獄の楽しみ方、なんてタイトルの本だから、どんなホラーだろうと思われたはず。だけれど、肝試し的に夏に読む必要も、夜中にトイレに行くのが怖くなることもありません。これは15歳〜19歳に向けた特別授業の講演録。
全体的に言えることは、まず、軽い。チャラい。いい意味で。
『言葉は、「今」ではないものも私たちに与えてくれたんです。過去、そして、未来です。過去と未来なんてものは、本当は「ない」んです。(中略)「えっ?本当かよ。そんなものなくたって昨日はあっただろう」、という人もいるでしょう。でも、ないでしょう。あるなら持ってこいという話です。ないんです。』
とか。
そんな口調だから、一見煙に巻かれているようで、でも時たまそこに真理が顔を出したりしながら、この世界と言葉について教えてくれる。たぶん、説教くさくしないための演出なんじゃないかな。
地獄というのはお気づきの通りこの世界のことで、ミステリー的にエンターテイメント化された処世術がエールとして書かれています。
好きなことをしなさい、というより、嫌いなことをしない方法。勝つための方法じゃなくて、勝ち負けも言葉の魔術でしかなく、自分が良ければ自分の人生はいいんだから、勝負を挑まれたらルールを無効化しなさいという方法。そんなことが。軽く。チャラい風で。
年長者から上から目線の説教しか聞いたことない若者、または、若者へのメッセージがどうしても説教くさくなってしまう年長者は読むと良いかと思います。
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