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濱田庄司 著 棟方志功 題字
朝日新聞社 1974年 中古
これがgood title booksの記念すべき50冊目。もちろんとっておきの、特別な1冊を紹介する。
人間国宝第1号、陶芸家濱田庄司さんの随筆集「無盡蔵(むじんぞう)」。
まずジャケットからして、やられる。それもそのはず、題字はなんと棟方志功。そしてその中身は。モノを作り出す創造的な仕事をしている方、器・民藝・デザインが好きな方や、日本の美意識を大切にしている方、素敵な年の取り方をしたい方にとって、ヒントや刺激が本当に無尽蔵に収められている。
濱田さんが作陶されていた益子には、作品とともに、濱田さんが蒐集されていた世界中の民藝品が展示されている「益子参考館」がある。(なぜ参考館かというと「陶芸家濱田庄司が、自らの作陶の参考として蒐集した品々から受けた恩恵と喜びを、広く一般の方々と共有し「参考」にして欲しいとの意図で」HPより)(写真の最後の2枚参照)
本当に素晴らしいところなのでまだの方はぜひ足を運んで欲しいが、展示同様素晴らしい言葉が並ぶここのパネルの、ほとんどの出典はこの本。お土産のポストカードに引用されている言葉もここから。
「私は物に出合っていいなと思うときは、私が負けた証拠だ。勝負は一瞬に済み、それから貰うものはほとんど済んでいるが、そのとき相手になった品は及ぶ限り手に入れて、いつまでも、品物からうけた恩を大事にしたい。」など、こんな名言がたくさんあるから、この本を読む時は線を引くのに忙しい。線を引きつつページの上も折るが、折るページが多すぎて箱に入らなくなった。
この本の主題が何かというと、人それぞれ感じるところは違うだろうが、僕の場合は「創造性と友情」と思う。
まず、濱田さんの物作りの姿勢を本人の生の言葉で直に知れる。大きく言えば、生活に近く、生活のための、生活の中から生まれる創造。その裏にある考え、プロセスをたっぷりと知れる。イノベーションやスタートアップとかクリエイティブとかそういう言葉が溢れかえる世の中だが、本当に生活や人の方に向いているモノづくりやサービスがどれほどあるか。言葉がタイムマシンに乗って、アンチテーゼを届けてくれる。(ちょっと作陶の専門的なパートもあるけど、ま、そこは飛ばしてもOK。もちろん参考に読みました。)
また、民藝運動をともに起こした、柳宗悦、河井寛次郎との交流の記録というより友情のエッセイは本当に見どころ。お互いにインスパイアし合う日々が描かれており、この3人が旅している途中に「民藝」という言葉が生まれた瞬間のことも書いてある。その他、濱田さんの仲良しのバーナード・リーチはもちろん、志賀直哉、イームズとの交流についても書かれているから、デザイン好きは見逃してはならない。
言葉遣いも、小説家が書くのとはまたちょっと違った味のある表現で、面白く。本を閉じれば、棟方志功さんの題字がそびえ。読めば頭と胸がいっぱいになり、飾ればまた見る目が日々磨かれる。
1冊で五度美味しい。これから本当にいい仕事をしようと燃えてらっしゃる方。これから本当にいい人生を過ごそうと思ってらっしゃる方。ぜひ、手元に置いておいてください。
人生が変わる1冊とはこういう本のことを言う。
それぞれの個別の状態は以下です。状態の説明と写真をよくご確認の上、お求めください。
E : 初版。函の背表紙と裏面が若干の日焼け。その他は、多少の経年劣化はあるものの、概ね良好。
F:第2版。函の背表紙が若干の日焼け。その他は、多少の経年劣化はあるものの、概ね良好。
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