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子どものことを子どもにきく 「うちの子」へのインタビュー 8年間の記録

残り2点

792円

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杉山亮 著 ちくま文庫 2022年 新品 こんな面白い本を紹介できるのは喜びだが、しかし同時に、こんな面白い本の書評を書かなきゃいけないのは苦痛だ。面白いから読んだ方がいいよ、で済ませたい。だめだろうか。 中身はタイトルを読めばわかる。自分の子供にインタビューしたインタビュー集。しかし、ニュアンスはちょっと共有しておかないといけないだろう。 子供にインタビューして、それが面白いとなると、となりのトトロのメイちゃんが、とうもろこしを「とうもころし」と言う、その感じかと思われると、まずそれは違う。 よく言う「子供は天才」。その自由で奔放な発言録、名言録をまとめたもの、と思われてもこれまた違う。 この本の面白さはインタビュイーの力量と狙いによるところが大きい。著者は、杉山亮氏。東京都の第一号男性保育者で、その後、おもちゃ作家として「おもちゃいろいろ・なぞなぞ工房」を主宰されていた方。子どもに向き合うプロだから、子どもを誘導しない。わざと世間が思う子供らしさに叶うように面白くしない。 1年に一度、3歳から10歳まで、ファミレスなどでパフェとか子どもが好きなものを頼みながらインタビューし、テーマも毎年1つあり、「教科書について」「お金について」「仕事について」「迷える時について」など変わっていく。 あとは読んで、と、再び言いたくなったが、この書評だけ読んで、一生この本と出会わない方もいるかもしれないから、いくつか素敵なやりとりを、引用しておこう。 5歳の時の幕張メッセで迷子になったことを振り返ってもらうインタビュー。子「泣いてる場合じゃないって思った。それに、お父さんは前に「泣いたってしょうがないだろう」ってぼくに言ったよ。」父「…。」 6歳の時の保育園についてのインタビュー。父「保育園てなにするとこだと思う?」子「子どもがかしこくなるところ。」「どうしたら保育園はもっとよくなる?」「先生がいない!」「ラ、ラジカル。大人がいなかったら困るだろう。」「困らないよ。」「誰がお昼作るんだよ?」「作れるよ。」「誰がそうじするんだよ?」「そうじなんかしなくていいよ。」 9歳の時の教科書についてのインタビュー。国語の授業について。子「問題は大きい段落のほう。これの見分け方がむずかしい。(中略)でも、ぼくはわかる。ちょうど紙芝居の絵一枚になるくらいの長さの話が大きい段落ひとつぶん。」父「なにそれ?先生がそういったの?」「いうわけない。」「じゃ自分で考えたの?」「そう。」 同じく教科書について。父「どうしたら(教科書が)おもしろくなると思う?」子「今、教科書って上と下にわかれてるでしょ。(中略)それをもっとわけるといい。」「どれくらいに?」「だから毎月一冊くらい。」「おお、月刊教科書!」「そうそう、付録もつけて。」 また、時折記される杉山氏の考えもたくさん線を引きたくなる。たとえば。 「ひとつの川でありながら、しかしいつも元の水ではない子どもの成長を丸ごととらえる動体視力を持ちあわせていないと」 「ぼくたちは子どもや教育のことを考えるのにまず子どもに聞くということをどうしてこんなにもしてこなかったのだろう。」 こんな素敵な親に育てられた子供はどんな大人に育つのだろうと、思っていたら。このインタビューをされたのはもう30年くらい前で、このインタビューされた隆くんはとっくに大人になっていて、その後日談も記されている。隆くんはその後、どんな少年期を過ごし、大人になった隆さんは今何をされているか。そこも読める。 どうぞ本の中で、この超絶素敵な親子に出会ってください。 ―――――――――――――――――――――――― ◎商品は、5営業日以内に発送します。 ※お盆休み(8/12-16)や年末年始(12/29-1/3)、  その他随時サイトに記載する臨時の休業を除きます。 ◎もちろんこの本にも、このおまけつきます。 https://goodtitlebooks.stores.jp/items/626351ef728954026de5013e

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