





三芳悌吉 文と絵, 武井武雄 原案
童心社 1982年 新品
はじまりの月だから、「あ」から始まるものを、と思っていたが、それどころかこれは、あ行が全部タイトルに入ってる。
アイウエ王国という豊かな国に、アイウエ王という良い王様がいて。
隣にあるのはカキクケ公国。そこを治める公爵は、全く逆で、欲が深く、戦争が好きな、カキクケ公。
ある日、カキクケ公は、アイウエ王を森に連れ出し、罠にはめて連れ去り、アイウエ王国を乗っ取ってしまう。
国が乱れたアイウエ王国の市民たちは、徳の高いお坊さんに相談に。その方の名前は、サシスセ僧。
とここまできたら、あとはご想像通り。物語は、タ行からラ行までの言葉遊びで、いろんなものが登場し、あんなことやこんなことがあって、めでたしめでたしのハッピーエンドへ。
ダジャレをベースに生み出されたお話だけれど、なんとも、これは、現代の世界と同じ状況じゃないか。
正義は勝つし、言葉遊びも面白い。子供が確実に喜ぶ物語(ま、大人の僕も、喜んで読んだけれど)だなあと思って、あとがきを読んだら、子供が喜ぶのもそのはずで。
作者の三芳悌吉さんが子供の頃、地元の活動写真館で、映画の幕間に外国人のショウマンが「アイウエ王様」という話をしたらしい。懐かしく思い、絵本にしたいと調べたら、実はその話は外国のものじゃなくて、「コドモノクニ」などで有名な武井武雄さんの童話を元にしたものだったらしく、武井さんの了承をとって、この本が出来上がったそう。
その「アイウエ王物語」は小学校の国語の教科書にも載っていたとのことだが、昔の教科書はなかなか洒落てる話が掲載されていたんだなあ。
というわけで。子供にも、子供の心を持った大人にも。正義感あふれつつ、楽しいことが好きなすべての方へ。オススメです。
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