大野裕 著
日経サイエンス社 2021年 新品
そういう病名があるからそういう症状になっちゃうんじゃないか、と思うことがある。例えば、五月病。でもまた逆に、何か調子が悪かったとしたら、そうかこれは五月病だからだ、と、そのせいにしちゃうことで楽になるかもしれないから、なんともいえないけれども。
いずれにせよ、この本は、5月にアップすることにしていた。アイスクリームがタイトルの本なのに、なんで五月病と関係が?それはこの本が心理学の本だから。日経朝刊の長寿連載、精神科医の大野裕 さんの「こころの健康学」をまとめた本。
著者は関西で講演会をした帰りの新幹線で、車内販売のアイスクリームを食べるのが好きらしく、それを楽しみにその日のお仕事をされているらしい。車内が乾燥してるから食べたくなるのかな、と思っていたら、新型コロナ関連の論文で、脂肪と糖が多く含まれる食べ物は、報酬系という脳の部位を刺激してリラックスさせる効果がある、というのを読んで納得されたとのことで、この話がタイトルになっている。
70歳を超えるその道の大家が、アイスを楽しみにその日の仕事を頑張ってる、というのがなんとも微笑ましい。そして、編集者の人がこのタイトルにしようと言われたようで、このタイトルの切り出し方は秀逸だなと思う。
新聞のコラム連載まとめなので、見開きで1話ずつ、短くたくさんの話が載っているが、その中で、僕の好みなのは、心理学の面白い実験事例が載っているもの。
例えば、大リーガーの選手名鑑の写真調査。昔の大リーガーの選手写真で、笑顔の人、微笑の人、笑ってない人の3タイプで寿命を調べると、笑顔の人が寿命が長く、微笑の人でも、笑ってない人に比べると長かった、とか。
「スリー・グッド・シングス」は実験じゃないけど、寝る前に今日の良い出来事を3つ数えると良い、という話も好き。なぜならグッドタイトルだから。
こういう心の持ち方をした方がいいよ、という「気の持ちよう」の話もあるけれど、「姿勢を変えると気持ちが変わる」「笑顔でいると実際結果が変わる」など、気持ちを外的要因から変えられる、そのアドバイスがたくさん載っていて、そこがいい。気持ちだけじゃ対処できないかった時の、それなら工夫のしようがあるから。
うまくいかせるためのダブルスタンバイ。人間、気持ちだけではなかなか、うまくいかないから。
細かい補足としては、コロナ以降の連載まとめなので、コロナ関連の話が結構多いですね。
あと、good title booksでの昨年の売り上げランキング4位の「シロクマのことだけは考えるな!」
https://goodtitlebooks.stores.jp/items/624bbc277d11617016821d08
を、好きだった方は、こっちも好きかもしれません。
さらにさらに、買おうかどうしようか迷った方は、日経新聞のグッときた記事を一言だけ切り抜いて紹介する「一言切り抜きfrom日経」というnoteを過去6年くらいやってまして、そちらでもいくつか、「こころの健康学」からの記事を紹介してたので、こっちも読んでみてください。
https://comemo.nikkei.com/n/n7947d735af2b
https://comemo.nikkei.com/n/nf33e9cbd0724
https://comemo.nikkei.com/n/n31421743fedd
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